短時間労働者への被用者保険の更なる適用拡大を柱とする年金改正法(正式名称は「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」)が、令和2年6月5日に公布されました。
改正の内容のポイントについて3回に分けて説明いたします。
※ ポイント1 被用者保険の適用拡大の見直しについて
【1】短時間労働者への適用拡大
厚生年金保険(健康保険も同じ)では、1週間の労働時間及び1カ月の所定労働日数が、通常の労働者と比較して4分の3以上(以下「4分の3基準」といいます。)である者が被保険者となりますが、平成28年10月からは4分の3基準を満たさない短時間労働者であっても、次の➀から⑤の要件をすべて満たすものは、被保険者となることとされました。
今回の改正により、次図のとおり➀と④について見直しが行われることになりました。
適用年月日 要件 |
平成28年10月1日~ |
令和4年10月1日~ |
令和6年10月1日~ |
①企業(従業員)規模要件 |
常時500人超 |
常時100人超 |
常時50人超 |
②労働時間要件 |
週20時間以上 |
変更なし |
変更なし |
③賃金要件 |
月額8.8万円以上 |
変更なし |
変更なし |
④勤務期間要件 |
1年以上 |
2カ月超 |
左に同じ |
⑤学生除外要件 |
学生は除外 |
変更なし |
変更なし |
【2】非適用業種(法定16業種以外の個人事業所は非適用)の見直し (令和4年10月施行)
非適用業種のうち弁護士・税理士・社会保険労務士等の法律・会計事務を扱う士業について適用業種とされます。
次回は、ポイント2 在職中の年金受給の見直しについて説明いたします。